手が不安そうにしていると、安心できる言葉を探していた。
「そんなことないよ」
「あなたなら大丈夫だよ」
ただ返事をするだけじゃなくて、その人がどんな人なのか、どんな言葉を待っているのか。
「あ、この人は今こう言ってほしいのかな」
「こう返したら安心するかな」
その人の性格や背景を考えて、その人に合った言葉を探して。
そんなことまで考えて、相手がほっとできるところまで言葉を尽くしていた。
まるで、一つひとつ丁寧にラッピングするみたいに。
オーダーメイドの言葉を返していた。
もちろん、それを頼まれたわけじゃない。
じゃあどうしてわたしは、そこまでしていたんだろう。
考えてみたら、理由はちゃんとあった。
わたし自身が、そうしてほしかったから。
「みんなそうだよ」
「普通は大丈夫だよ」
そういう言葉でまとめられるんじゃなくて、わたしという一人の人間を見てほしかった。
わたしの背景や気持ちを知った上で、言葉をかけてほしかった。
だからわたしは、相手に同じことをしていたんだと思う。
自分がほしかった優しさを、人に渡していた。
でも、その優しさを全員に渡し続けるのは、少し大変だった。
一人ひとりに合わせたオーダーメイドの言葉は、とても時間と心を使うものだから。
だから、これからは少し変えてみようと思う。
大切な人には、今までみたいに向き合いたい。
その人の背景を見て、その人だけへの言葉を考えたい。
でも、すべての人に同じだけ背負わなくてもいいよね。
「大変だったね」
「最初は不安だよね」
そんなシンプルな言葉でも、ちゃんと優しさは届く。
特別なラッピングじゃなくても、ちゃんと心を込めて渡すことはできる。
優しさを減らすんじゃない。
大切に使う場所を、選んでいくだけなんだ。

今日もここまで読んでくれてありがとう。
あなたの心にも
ほっとひと息つける時間がありますように。
